理論恋愛学講座~入門編~

はじめに

人が物事を始める時、大きく分けて二通りの方法がある。一つは、まず実際にやってみる事。もう一つは理屈を学んでから始めること。

例えばたこ焼き作りを例に出すと、「小麦粉とタコがあれば何とかなるやろ!」と言ってまずは適当に生地を作り、「まずい!」とか「タコがでかい!」とか騒ぎながら自分の理想のたこ焼きに近付いていく方法がひとつ。

もうひとつは、「たこ焼きのすべて~その歴史と実践~」などといった本を熟読した後、その本に忠実にたこ焼きを作り、最短距離で正解にたどり着く方法だ。

たこ焼き
たこ焼き

どちらが良い、悪いというものではなく、動機によって選ばれるものは異なり、同じことを始めるにしてもその人の性格によって変わってくるだろう。
しかし、人生の一大イベントたる“恋愛”に限っては、「まずはやってみる」の方法を採用している人が多いのだ。
ご存知の方も多いと思うが、恋愛という行為は時に命に関わるほどのリスクを伴う。

たこ焼きをひっくり返すのを失敗したところで「もうあかん…死のう…」となる人は少ないが、恋愛での失敗では容易にそのような事態になり得る。
死なないにしても、心に修復不可能な穴が開き、男が廃人同然の状態になっていく様子を私は何度も見てきた。恋愛は、このような危険な行為であるにも関わらず、多くの人が、気が付いたら実践の場に立たされているのが現状だ。

本日のテーマ

そこで今日は、ここまで運よくトラウマを抱えていない人に向けて、今後の恋愛において理詰めで正解を導き出せるようになるべく理論恋愛学の初歩を学んで頂きたい。
本来ならば義務教育のカリキュラムに組み込むべき事だと思うのだが、教育改革にはまだまだ時間がかかりそうなので、インターネットの片隅で講座を開くことにした次第である。すでにトラウマを抱えている人も、来世のために読むとよろしい。
実は私は現役医学生で、もうすぐ留年しそうなほど優秀なので、安心してついてきて欲しい。

オキシトシンとは

オキシトシンというホルモンを知っているだろうか。このホルモンは主に子宮筋を収縮させる作用があるのだ。
つまり、赤ちゃんを産むときに出るホルモンなのだが、闘争心や恐怖心を和らげ、安心感を与える作用もある。本来は出産の痛みを和らげるための作用かと思われるのだが、これを恋愛に利用しない手はないのだ。

つまり、片思いの相手にもオキシトシンを分泌させれば、「あたし・・この人といると妙に落ち着く…」と思わせることができるのだ。
しかしそれがわかったところでどうするのか。オキシトシンを盛るのか?

手元の教科書に興味深い記述がある。将来お医者さんになる人が読む、れっきとした生理学の教科書だ。
「乳児が母親の乳頭を吸うと…(略)…オキシトシンが分泌される」

これがオキシトシンだ!
これがオキシトシンだ!

これ以上何も言う必要はあるまい…
好きな子をどうやって食事に誘うか、頭を悩ませた事もあったと思う。
話しかけるだけで緊張もしただろうし、いざ本当に食事に行くとなったら店も決めなきゃいけない。アルコールは有りかなしか、店の場所は家に近い方がいいのか、オシャレな店か気楽な店か。これだけ考えてもまだ食事の前段階なのだ。それを乗り越えたところでその子と必ず付き合えるわけでもない。

理論恋愛学講座を履修している諸君は、もうそんな遠回りなやり方は不要だという事が理解できたと思う。相手と上手くいくために君がやらなきゃいけないことはたった一つなのだ。実はこの媒体で記事を書くにあたって下ネタを禁じられているため、具体的な指導ができないのが心苦しいのだが……。
とにかく上手く吸って欲しい。チュッパチャップスとかで練習すると良いと思う。

イメージ図
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アドレナリンの効果

オキシトシンは相手を落ち着かせるホルモンだったが、恋愛は時に相手をドキドキさせる必要もある。
そんな時はこのホルモン、アドレナリンだ。

おそらく聞いたことがある人も多いのではないかと思うが、その実態を知っている人は少ないだろう。
アドレナリンには、簡単に言うと人を興奮させ、心拍数をあげる作用がある。つまり、一緒にいる時に相手の女の子にアドレナリンを放出させれば、「なんだかドキドキする…これって恋?」と思わせる事が出来るのだ。

doki

アドレナリンは腎臓の上にある副腎という器官の外の方(副腎皮質)から放出される。
副腎皮質は、脳から出る「副腎皮質刺激ホルモン」の刺激を受けてアドレナリンを出しまくるのだが、「概日周期」というものがあり、副腎皮質刺激ホルモンは、早朝にバンバン放出されるのだ。
つまり、その刺激を受けて、アドレナリンもバンバン出るという事になる。また、アドレナリンは運動をしても放出される。

ここまで書けばもうわかったと思う。
相手をドキドキさせたければ、一緒に早朝のランニングをすると良いのだ。
この、モーニング・アドレナリン・ランニング、つまりMAR(まー)を、私は理論恋愛学から実践恋愛学へと進むための第一歩と位置付けている。

doki2

さて、ここまで二つのホルモンを紹介したが、両者を組み合わせて使えば完璧だ。
MARでアドレナリンを放出させている最中に、オキシトシンを放出させるテクニックを使うとあら不思議。
「はあはあ…ドキドキしてきた…急に吸ってきた!あ、でも安心してきた…あ、でもまたドキドキしてきた…ええ!また吸ってきた!あ、でも安心してきた…」という精神的ジェットコースターで振り回され、気付いたら君に惚れているだろう。ぜひ騙されたと思って実践してみて欲しい。騙されるかもしれないが。

ちなみに最近、オキシトシンスプレーなるものが売られているらしい。
効くかどうかは分からないが、吸っても吸っても落ちない女の子がいたら試してみる価値はあるかも知れない。

<ライター/服部大輔>

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