ひとりデート発案者、地主恵亮さんに男のモテについて聞いてみた。

イギリスの新聞紙、「ガーディアン」(1821年創刊)の「世界でもっとも気持ち悪い男」に選ばれ、昨年末には架空の彼女との思い出を綴った『妄想彼女 頭の中で作りあげた僕の恋人』(鉄人社)をリリースするなど、今最も勢いのある非モテ男子の「地主恵亮」さん。
今回のインタビューでは、そんな彼のモテ観についてお聞きしました。
今年こそモテたい! と意気込んでいるあなた。是非参考にしてみてください!

家に帰って、アニメの再放送見なきゃいけないんですよ。「シティーハンター」とか「キャッツアイ」とか

ーーどのような学生時代を過ごしていたのでしょうか?

高校時代、友達が1人もいなかったんです。そうなると休み時間はやることがないんで、ずっと「レモン石鹸」で手を洗っていました。放課後も生粋の帰宅部だったので、ホームルームが終わった直後に駆け出して、もう即帰宅です。家に帰って、アニメの再放送見なきゃいけないんですよ。「シティーハンター」とか「キャッツアイ」とか。学校に残ってワイワイしている場合ではないんです。

ーーでは、10代の頃は一切恋愛はしていなかったんですね

そうですね。僕、一応出身が美大なんです。美大に進学する為には絵画教室で勉強しなきゃならなかったんですけど、ここでも特になにもありませんでしたね。生徒は女の子しかいなかったので、帰り道が一緒になったりするんです。一緒に駅まで歩いているんですけど、なにを話したら良いか分からなくて……。あの頃に天気の話をすれば良いという情報を僕が知っていれば良かったのですが……。やっぱり暗い道を歩いていた覚えしかありません。

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ーー美大に進学されてからはどうだったんでしょうか?

友達は相変わらずいなくて……(笑)一度、好きな女の子と教室で2人っきりになったことがあったんですけど、そのときなぜか僕に、「わたし、髪の毛切った方が良いかな?」って聞いて来たんですよ。2人だからなんか話さなきゃって思ったんでしょうね。その子は結構髪の長い子だったんですが、僕は元々黒髪ロングの子がタイプだったので「絶対、そのままが良いよ」って言ったんです。その後すぐにその子は教室から出て行っちゃったんですけど、次の日学校でその女の子を見たら、あっりえないくらいショートになってて。僕はその瞬間に全てを諦めました。そりゃ女性不信になりますよね。その出来事から何年も経ちましたけど、いまだにそのエピソードが脳裏に焼き付いていて……。「それ、なんでオレに聞いたの?」っていう。僕に聞いた結果で切ったのか、それとも聞く前から切ろうと思っていたのか……。僕が背中を押してあげたみたいになっていたらすごく嫌だなあと。心残りですね。

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重要なのは、「結局」と「カタカナ」を使うこと

ーー女の子に良く思われたいがために、実践していることはありますか?

はい。常に、どうすれば良く思われるかを考えています。例えば初対面の女の子に「どんな本読むんですか」とか、「どんな映画を観たりするんですか」などと尋ねられることって良くあると思うんですけど、ここで重要なのは、「結局」と「カタカナ」を使うことだと思っています。「結局……バックトゥザフューチャーが好きなんだよね」とか言って(笑)。一周回っている業界人感を出す感じです。また、映画に関してはカメラワークを褒めるというのもありですね。「あのシーンはアートなカメラワークが……」。とか。あと、ピンポイントのシーンを褒めると浅い自分がバレないんですよ。あんまり知らない映画を言われても、「あのラストシーン、映像的観点から見るとすごい良いんだよね」とか言うと、響くんです。僕、全く映画とか観ないんですけどね。

ーー地主さんが考える、モテる男とモテない男の違いってなんでしょうか?

やっぱり収入だと思います。収入が良いと、仕事が出来る感がありますからね。昼間からTwitterやってちゃダメだってことです(笑)。ということは、平日は仕事、土日は多摩川でBBQしている写真をアップしていかなきゃならないんですよ。最近思うんですけど、「モテる男がモテる説」って絶対あるんです。女性はモテない男よりも、みんなから人気があってモテモテな人と付き合いたいという心理があるのかなと。女性としてもステータスになるんですよね。なので、モテたいモテたいって言っている人は、リア充アピールをすればいいと思うんですよ。たとえイケメンでなくたって、まずは実践したほうがいいと思います。

ーー休みの日、なにをされていることが多いんですか?

先日、小学校の同級生と会ったんです。その時、「キミって全てがびっくりするくらい変わってないね」って言われて。それはショックでしたよね、やっぱり年とともに変わっていたいじゃないですか。「あれ? 人って成長する生き物じゃなかったの?」って自分に問いかけましたよね。とはいえ、少年の心を持っている人はモテる説もあると思うんですよ。なので、最近休みの日は「妖怪ウォッチ」をしています。ポケモンもこの間までやっていました。少年の心を手にいれるためにやってたんですけど、すごくはまっちゃって。さくらニュータウンのみんなが僕を待ってるんですよ(笑)まあ言うても50時間くらいしかやってないんですけどね。

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若くあれ、貧乏であれ、無名であれ

ーー執筆された『妄想彼女』ですが、取り組みはじめたきっかけを教えて下さい

寒い寒い冬の日でした。取材で福井に行ったとき、“独り”がとても寂しく感じたんですよ。しかも泊まってたホテルのエアコンも調子が悪くて、なんだかすごく落ち込んでいたんです。翌日、街中に女性の銅像があるのを見てなんとなく肩を並べて写真を撮ったら、すごい幸せそうな写真になって。「ああ、これだ」と。そこから徐々に発展させていった感じですね。

ーー地主さんの本を読んで、「僕もなんかやってやろう!」と思う男の子は多いと思うのですが、彼らにアドバイスを頂けますか?

「この前テレビかなにかで、毛沢東の言葉が紹介されていました。「若くあれ、貧乏であれ、無名であれ」と毛沢東は言ったらしいのですが、本当この通りだと思いますね。面白いものを作りたいという原動力、それだけで良いと思うんです。自分がどのような立ち位置にいるのかを、客観的に捉えることが出来れば、実践出来ると思うんですけどね」と、この前居酒屋に隣りに座っていたヤツが大声でこんなようなことを言っていたので、真似して今言ってみました。でも伝えたいことはこんな感じです。

ーー本を出されてから、周囲からどんな反応があったでしょうか?

周りからチヤホヤされるというのは特になかったんですが、祖母がすごい褒めてくれました。ただ、字が小さくて読めないと言っていましたけど……。海外はチヤホヤしてくれるんですよね。向こうの人は「アート」だみたいなことを言ってくれるんです(笑)そうやって言われると嬉しいですよね。ああ、僕がやってきたことって、「アート」だったんだと。やっぱりカタカナですよ。

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ーー美大に通った経歴が活かされた気がしますね

そうなんです、やっと繋がったんです。これで高い学費を払ってもらったかいがあるかなあと……(笑)また、海外からはライターではなく、「フォトグラファー」って言われるんです。ここでまた「カタカナ」の登場ですね。なので最近は、「職業教えてください」と言われたら「フォトグラファーです」って答えることにしているんです(笑)あ、フォトグラファーにしかできない、女の子と仲良くなる方法があるんですけど、特別に教えてあげます。「色んなカメラがあるけど、実はiPhoneが一番キレイに撮れるんだよ」って女の子に言うんです。そして「はい、じゃあこっち向いて〜」とか言って、パシャパシャって撮ってあげるわけですよ。それで、写真送るからって連絡先をゲットする。まあ、ここにたどり着く前に、女の子と2人きりになるって場面を作らなきゃならないんで、そこまでが大変なんですけどね(笑)

<プロフィール>

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地主恵亮

1985年、福岡県生まれ。2009年より人気Webサイト「デイリーポータルZ」にて執筆を開始。2014年より東京農業大学非常勤講師。『妄想彼女 頭の中で作りあげた僕の恋人』(鉄人社)好評発売中

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[インタビュー・ライター/長橋諒 撮影提供/kawara CAFE&DINING 宇田川]

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