メンタリストDaiGo氏に聞く!「美容師とメンタリズムのカンケイ」

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都内某所で行われたメンタリストDaiGoさんの美容師向けセミナー。

イベント後、DaiGoさんに、メンタリストから見た美容師という職業や、対人時のメンタリズムの活かし方について、インタビューをさせていただきました。

 

 

美容師ならではの強力なメリット

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インタビュアー(以下、イ):今日のセミナーでは聞き手が全員美容師でしたが、いつものお客様と比べて、どんな印象を持たれましたか?

 

DaiGo(以下、D):平たく言えば、めちゃくちゃオシャレな人が多いなっていうのがまずはひとつ。あとは、人の感覚や個性って服装に結構出るので、それは面白かったですね。相手を読みやすくて。

 

S:セミナーの冒頭で、DaiGoさん自身もお友達に美容師がいらっしゃるとお聞きしたんですが、美容師と他のサービス業や接客業との大きな違いを教えていただけますか。

 

D:美容師さんの場合、人の人生を短時間で変えてしまう力があるというのがひとつ。ふたつ目は、他の接客業と比べてお客様とカジュアルに接することができる職業だということ。これは美容師さんならではの強力なメリットなんです。

 

イ:なぜお客様とカジュアルに接することがメリットなのでしょうか?

 

D:普通、相手からプライベートな話を引き出すのって、とても大変なんですよ。例えばスーツをビシッと着込んだ、自分より何十歳も上の資産家の人を相手にしたら、「プライベートな関係なんてどうやって作ればいいんだろう」って思うのが普通ですよね。でも、美容師さんの場合はそこが既に突破されているんです。なぜなら、人間って体の距離=心の距離で、信頼関係を築くには、相手に自然に触れることがめちゃくちゃ重要なんですね。その点、美容師さんは必ずお客様に触れる仕事なので、デフォルトでお客様と仲良くなりやすい職業なんです。

 

イ:なるほど。美容師の仕事は、メンテナンスという意味で、お医者さんと近い仕事だと思います。ただお医者さんに対しては、やはり権威的なものを感じてしまうのですが、美容師もそうあるべきなんでしょうか?

 

D:そもそもお医者さんや弁護士が「先生」と呼ばれるっていう文化自体が特殊なんですよね。そうするとやっぱり、例えば意思疎通がうまくいかなくなったりというのはあると思うんです。でも、美容師さんはそういう意味では、良いポジションにあると思いますね。信頼される権威を持っているんだけど、お客様と近い関係で居られる。だから接客業としては相手の心を掴みやすい、良いポジションにいるんじゃないかなと思います。

 

イ:確かに。美容師は恋愛の相談とかもよく受けるとお聞きしますね。

 

D:そうです、そうです。普通は働いている最中の人に恋愛の相談とか、あんまりないですからね(笑)。

 

イ:たしかにそうですよね(笑)。

 

 

 

人を変えるのは「体験」

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イ:今日のDaiGoさんのお話を聞いていて、このセミナー自体も人の心を動かす仕組みになっていると思ったのですが、聞き手の心を変えるセミナー中のポイントというのはありますか?

 

D:やっぱり人を変えるには、体験が肝心なんですよね。だから、どちらかと言うとセミナーで僕が話した内容を覚えることよりも、それを試してうまくいったっていう体験自体がその人を変えてくれるんです。ただ、普通その体験をセミナーで提供するのは無理ですよね。でも、僕の場合はパフォーマンスっていう形で、集中力を高めたりとか、記憶力を高めたり、体験をそのままダイレクトに提供できるので、自分としてはそれが一番大きな仕掛けではあるかなと思います。あとは、喋り方とか、イントネーションの使い方、心を揺さぶるためにあえてどぎつい言葉を入れたりもします。相手の記憶へは、同じトーンで話していくとあまり残らないんですが、感情を上げ下げすると良くて。だから例えば、スピーチを作る場合は、あえて挑発したり、怒らせたりするんですよ。

 

イ:相手を本気で怒らせるんですか?

 

D:ええ、相手の記憶に残すために本当に怒らせるんです。ただ、怒らせるんだけど、「怒らせた理由というのはこうことだったんですよ」っていう方向に持っていく。例えば、ふんぞり返って全然話を聞いてくれない人たちに対して、「え、こんなことも知らないんですか?」と最初に言うわけです。すると、聞き手は怒って、僕のあら探しをしようと話を聞き始める。そして、聞き始めたところで役に立つことを言って、最後に、「僕がなぜ最初にあんなことを言ったかというと、皆さんに聞いて欲しかったから。だからあえて挑発することで注意を向けたんですよ」と言う。それでOKなんです。

 

イ:なるほど、聞き手からすると「この野郎」って感じですね(笑)

 

D:そうです、そうです。それで成果が出れば「この野郎」でも良いんです。戦国武将もそうだし、大企業を創業したワンマンの社長さんとかは、あえて社員を怒鳴りつけて鼓舞したりと、そういうやり方を使ってるんですよ。

 

 

 

見るべき姿は相手の「今」

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イ:DaiGoさんは相手の過去と未来、どちらを見ることが多いですか? つまり、その人がどういう生き方をしてきたかという歴史を見るのか、もしくは、この人はこの後こういうことをするだろう、こういう発言をするだろうという想像の部分なのか。

 

D:どちらでもないですね。相手の今しか見ないです。つまりその、人間って過去を冷静に分析することが最も苦手な生き物なんですよ。

 

イ:と、言いますと?

 

D:例えばですが、ある男の人が彼女にフラれて、「俺はあいつがいないと生きていけない、もう死にたい」とめちゃくちゃ落ち込んでいたとするじゃないですか。でも5年くらいして別の彼女が見つかったときに、「いやー、やっぱりさ、あれも経験になったよね」なんて言うわけですよ。つまり過去の意味が変わっちゃってるんですよね。結局は、その人の今から見た過去と未来しかないので、僕が見るのも相手の今しかないんです。

 

イ:そうなんですね、すごく腑に落ちました。

 

D:美容師さんのお客様でも、例えば「パーマをかけたくない」と言っている人がいるとする。これはその人の中で、パーマをかけて髪が傷んだという記憶が今あるから問題なんです。だからもしその人を「髪も傷めずパーマを上手にかけられた」と満足させることができれば、その記憶は「パーマは苦手だったけど、あの店でかけてもらったら、むしろ髪がまとまるようになったから良い」と書き変わるんですよ。だからどちらかと言うと、相手の過去や未来をああだこうだ想像するよりも、今目の前の姿を見て特徴や喋り方に目をむけた方が、よほど相手を理解するためのヒントが見えてきますね。

 

イ:では、人付き合いでも、相手の過去を詮索したり、過去のミスをいつまでも根に持ってしまうのはよくないのでしょうか。過去から情報を得て、こういう人だろうと考えてしまうのはよくあることだと思うのですが…。

 

D:あんまりよろしくないですね。あまり過去を見ているとその人の今を見なくなるんですよ。それが顕著に表れているのが就活ですね、就活。どんなにうまくいっている人でも落ち目になる時はあるのに、過去の学歴を重視してばかりいると、その人の人生が今どうなっているかに目がいかなくなるんです。あとは人間の脳ってうまくできていて、マイナスの感情をいっぱい覚えておくとやっぱりしんどいと思いますよ。

 

 

 

「すれ違う人を、すれ違った瞬間に、三カ所褒めろ」

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D:スポーツってやります?

 

イ:僕は卓球部でした。

 

D:例えば卓球も、最初はうまくいかないけど、何回もやっていれば、自然とできるようになりますよね。それは良いスイングをいっぱい練習して、良いスイングをするための神経が発達するようになるからです。でもネガティブなものを常に注目する癖がつくと、ネガティブなものを見つける神経が太くなっていきます。だから他人の悪いところに目を向けているとどうなるかっていうと、自分が何かをするときにも、自分の悪いところに目がいってしまうんです。自分の人生にもあら探しを始めちゃう。そうすると、どんどん不幸になっていってしまいます。

 

イ:ポジティブにはなれないですよね。

 

D:はい。そうですね。どんな人にでも言うのは、「すれ違う人を、すれ違った瞬間に、三カ所褒めろ」ということ。口に出すと怪しい人になっちゃうので、頭の中で褒めるんですよ(笑)。でもそうすると、瞬時に相手の良いところを見つける癖ができるんで、ゆくゆくは自分の良いところも見つけることができますし、なにかプロジェクトを起こすこときにも、良いところが見つけられるはずです。

 

イ:それはすぐに真似できることだし、ピースフルな話ですね。

 

 

 

SNSは会話ネタの倉庫

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イ:今日セミナーに来られなかった美容師に向けて、相手を知るためのテクニックで簡単に始められるものをひとつ教えていただけますか。

 

D:一番やった方が良いのはマインドカルテですね。要は相手がしゃべった内容とか、前回言っていたことを書いておく。

 

イ:ちょこっと書いておいて、次会ったときに、それを話す。あれはすぐに使えることですよね。

 

D:話題に困っていると言う人がいますが、相手が前回話した内容を覚えておいて、その話を聞けば、喜んで喋ってくれますよ。それは相手が話したかったことですから。それから、もしお客さんのFacebookを見られるんだったら、Facebookのタイムライン見て、よく出てくる単語をピックアップしてどこかに書いておけばいいんですよ。それに、別に全部チェックする必要はなくて、お客様が来る5分前くらいに、タイムラインをばーっと見て写真と一緒に上がってる投稿とかをチェックしておく。「ハワイにゴルフに行きました」「車買い替えました」「娘が生まれました」とわざわざ写真をのせてFacebookに載せてるってことは、「見せたい! むしろ聞いてほしい!」っていうことですよね。

 

イ:そうですね、つっこまれたいということですよね…。つまりSNSというのは情報がたくさん落ちているところなんですね。

 

D:メンタリストにとっては天国みたいなものですよね(笑)。普通だったら一生懸命観察しなきゃいけないことが、タイムライン見れば、友達関係とか全部わかりますからね。

 

イ:アイコンひとつで、どういう人かっていうのもわかりますしね。

 

D:どう見られたいのかなぁって考えると、めちゃくちゃおもしろいですよね。

 

イ:今日はいろいろなお仕事に活かせるお話をいただき、ありがとうございました。

 

D:僕も楽しかったです。ありがとうございました。

 

 

[ライター/酒井栄太 カメラ/黒川隆斗]